『貴志祐介』先生のおすすめ小説ランキングTOP10!面白すぎて一気読み必至!

こんにちは、『悪の教典』から貴志作品入りした貧困男子です。

読者をゾッとさせることで有名な貴志祐介先生。

先日やっと全作品読み終えたので、おすすめ順にランク付けしてみました!

ハズレなしの面白い作品ばかりですよ!

 

1位『新世界より』

1000年後の日本。豊かな自然に抱かれた集落、神栖(かみす)66町には純粋無垢な子どもたちの歓声が響く。周囲を注連縄(しめなわ)で囲まれたこの町には、外から穢れが侵入することはない。「神の力(念動力)」を得るに至った人類が手にした平和。念動力(サイコキネシス)の技を磨く子どもたちは野心と希望に燃えていた……隠された先史文明の一端を知るまでは。

序盤は世界観を飲み込むのに少し苦労しますが、徐々に引き込まれ、中盤以降はもうページをめくる手が止まりません。

面白さと恐怖が同時に襲ってきます。

怖いんですが…「何でこんな世界になったのか?」等、張り巡らされた伏線が気になって気になって仕方ないんです。

作中は基本ずっと怖いんですが、ラストが本当に怖い。

読み終えてからしばらく鳥肌が止まらなかった…

すごいインパクトを読者に与える小説です。

新世界より 文庫 全3巻完結セット (講談社文庫)

 

2位『悪の教典』

晨光学院町田高校の英語教師、蓮実聖司はルックスの良さと爽やかな弁舌で、生徒はもちろん、同僚やPTAから信頼され彼らを虜にしていた。そんな〝どこから見ても良い教師〟は、実は邪魔者は躊躇いなく排除する共感性欠如の殺人鬼だった。少年期、両親から始まり、周囲の人間をたいした理由もなく次々と殺害してきたサイコパス。美形の女生徒をひそかに情婦とし、同僚の弱みを握って脅迫し、〝モリタート〟の口笛を吹きながら、放火に殺人にと犯行を重ねてゆく。

高校教師の蓮実が主人公。

徐々に蓮実のサイコパスっぷりが明らかになっていくのですが、そこまでに蓮実に感情移入されられちゃうので、気が付けばゴリゴリの殺人鬼を心の中で応援してしまっています。

蓮実が仕掛けるトリックもミステリー要素があって面白いです。

貴志先生の作品の中でもかなり読みやすい部類なので、「貴志作品初めて」という方にはまず悪の教典からすすめることにしてます。

悪の教典〈上〉 (文春文庫)

 

3位『クリムゾンの迷宮』

藤木はこの世のものとは思えない異様な光景のなかで目覚めた。視界一面を覆う、深紅色の奇岩の連なり。ここはどこだ?傍ら携帯用ゲーム機が、メッセージを映し出す。「火星の迷宮へようこそ。ゲームは開始された」

突如、40代無職のおっさんがゼロサムゲームに巻き込まれる話。

とにかくゲームのクオリティが高い!

設定が練り込まれてて、矛盾点が全くなく、「実際やってみたの?」ってレベル。

「もし僕だったら…」ってつい妄想しちゃうほどの描写力!

ゼロサムゲームの面白さだけじゃなく、貴志先生特有の怖さもしっかり表現されていて、ぞっとする位怖かったです。

ラストは解釈に幅を持たせた終わり方をしてるのも良かったです。

クリムゾンの迷宮 (角川ホラー文庫)

 

4位『黒い家』

若槻慎二は、生命保険会社の京都支社で保険金の支払い査定に忙殺されていた。ある日、顧客の家に呼び出され、期せずして子供の首吊り死体の第一発見者になってしまう。ほどなく死亡保険金が請求されるが、顧客の不審な態度から他殺を確信していた若槻は、独自調査に乗り出す。信じられない悪夢が待ち受けていることも知らずに…。

最高級のホラー小説。

序盤はたんたんと進んでいくのですが、途中からぐいぐい引き込まれていきます。

これでもかって位見事に人間の狂気を描き切っています。

怖すぎる…

貴志先生ってばサイコパス好きすぎじゃない?

黒い家 (角川ホラー文庫)

 

5位『青の炎』

櫛森秀一は、湘南の高校に通う十七歳。女手一つで家計を担う母と素直で明るい妹との三人暮らし。その平和な家庭の一家団欒を踏みにじる闖入者が現れた。母が十年前、再婚しすぐに別れた男、曾根だった。曾根は秀一の家に居座って傍若無人に振る舞い、母の体のみならず妹にまで手を出そうとしていた。警察も法律も家族の幸せを取り返してはくれないことを知った秀一は決意する。自らの手で曾根を葬り去ることを…。

大切な家族のために殺人を犯すことを決意する少年の物語。

もうね、とにかく切ない。

頭脳明晰に見えてもどこか稚拙な部分が垣間見えたりとか、罪の意識に押しつぶされそうになるところとか…

最後まで読むとまたさらに切なくなるんですよ。

読むのがつらくて、読み返そうとは思えなかったです。

青の炎 (角川文庫)

 

6位『ダークゾーン』

暗闇の中、赤い怪物として目覚めたプロ棋士を目指す塚田は、「青の軍勢」と戦えと突然命じられる。周囲には、やはり怪物と化した恋人や友人たちが、塚田が将となった「赤の軍勢」の駒として転生していた。将棋のようなルールのもと、特殊能力を駆使し、知恵と駆け引きで敵の王将を狙う「赤VS青」、異形同士の七番勝負が始まった。異次元空間で繰り広げられる壮絶な“対局”の行方は?衝撃のバトルエンターテインメント開戦。

突如異世界で、主人公は「赤の軍勢」を率いて、「青の軍勢」と戦うというストーリー。

このゲームのルールはオリジナルなのですが、これが超面白い!

三すくみになっている等、各駒の特性が非常によく練り込まれているんですよ。

序盤はこのゲームが面白い小説って印象だったのですが、徐々に貴志先生特有の怖さが顔を出し始めます。

終盤にはもうページをめくる手が止まらず…

ラストの展開はなんとなく予想できたのですが、それでも鳥肌が立ちました。

ダークゾーン 上 (角川文庫)

 

7位『十三番目の人格(ペルソナ) ISOLA』

賀茂由香里は、人の強い感情を読みとることができるエンパスだった。その能力を活かして阪神大震災後、ボランティアで被災者の心のケアをしていた彼女は、西宮の病院に長期入院中の森谷千尋という少女に会う。由香里は、千尋の中に複数の人格が同居しているのを目のあたりにする。このあどけない少女が多重人格障害であることに胸を痛めつつ、しだいにうちとけて幾つかの人格と言葉を交わす由香里。だがやがて、十三番目の人格「ISOLA」の出現に、彼女は身も凍る思いがした。

貴志先生のデビュー作。

多少粗削りな印象はありますが、特有の恐怖の煽り方とラストに背筋が凍る点はすでに完成されています。

最後の1文には本当にゾッとさせられました。

ただ、非現実的なオカルト要素があり、そこは賛否が分かれるところだと思います。(僕はその部分はあんま好きじゃないです)

十三番目の人格(ペルソナ)―ISOLA (角川ホラー文庫)

 

8位『防犯探偵・榎本シリーズ』

日曜の昼下がり、株式上場を目前に、出社を余儀なくされた介護会社の役員たち。エレベーターには暗証番号、廊下には監視カメラ、有人のフロア。厳重なセキュリティ網を破り、自室で社長は撲殺された。凶器は。殺害方法は。すべてが不明のまま、逮捕されたのは、続き扉の向こうで仮眠をとっていた専務・久永だった。青砥純子は、弁護を担当することになった久永の無実を信じ、密室の謎を解くべく、防犯コンサルタント榎本径の許を訪れるが―。

自称防犯コンサルタントの榎本が、密室トリックを暴いていく作品。

珍しく王道ミステリー。

シリーズものですが、登場人物がどんどん入れ替わる1話完結型なので、シリーズ順に読まなくても全然OK。

ほとんどが犯人はほぼわかっている状態で、そのトリックを暴いていく形式が多いです。

話がテンポよく進んでいくのがこのシリーズの魅力。

事件をめぐる人間ドラマより、トリックの方に興味がある方にはおすすめです。

防犯探偵・榎本シリーズ【4冊 合本版】 『硝子のハンマー』~『ミステリークロック』 (角川書店単行本)

 

9位『天使の囀り』

北島早苗は、ホスピスで終末期医療に携わる精神科医。恋人で作家の高梨は、病的な死恐怖症だったが、新聞社主催のアマゾン調査隊に参加してからは、人格が異様な変容を見せ、あれほど怖れていた『死』に魅せられたように、自殺してしまう。さらに、調査隊の他のメンバーも、次々と異常な方法で自殺を遂げていることがわかる。アマゾンで、いったい何が起きたのか?高梨が死の直前に残した「天使の囀りが聞こえる」という言葉は、何を意味するのか?前人未到の恐怖が、あなたを襲う。

序盤は読んでいても、この小説がどんなジャンルかさっぱり。

だからこそ「これは何なんだ?」と徐々に引き込まれていきます。

他の作品とは違う意味で怖かったです。

夢に出てきましたもんね…

ある意味一番インパクトがありました。

専門家でもないのに、よくここまで調べ上げて設定を練り込んだなぁと感心するほどの出来栄えになっています。

天使の囀り (角川ホラー文庫)

 

10位『雀蜂』

11月下旬の八ヶ岳。山荘で目醒めた小説家の安斎が見たものは、次々と襲ってくるスズメバチの大群だった。昔ハチに刺された安斎は、もう一度刺されると命の保証はない。逃げようにも外は吹雪。通信機器も使えず、一緒にいた妻は忽然と姿を消していた。これは妻が自分を殺すために仕組んだ罠なのか。安斎とハチとの壮絶な死闘が始まった―。最後明らかになる驚愕の真実。ラスト25ページのどんでん返しは、まさに予測不能!

以前スズメバチに刺され、アナフィラキシーショックの恐れがある男が、スズメバチだらけの山荘で生き残りをかけて戦う小説。

全力でスズメバチと戦う様はどこか滑稽で、ギャグっぽい印象を受けます。

貴志作品の中ではかなり異色。

なぜスズメバチをメインにして小説を書こうと思ったのか不思議でならない…

ラストに衝撃の展開が待ち受けてそうな雰囲気満々だったので身構えていたのですが、「そう来たか!?」って感じ。

心にねじ込まれるほどの衝撃はありませんが、気軽に読めるので、僕は嫌いじゃありません。

雀蜂 (角川ホラー文庫)

 

以上です。

怖い作品ばっかりですね…

貴志先生の小説を読んだ後って、無性にファンタジー小説とかラノベとか読みたくなるのって僕だけですか?

 

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