同時並行で様々な小説を手掛ける売れっ子作家の田中芳樹先生。
放置プレイ癖があることでも有名で、続編を出すのに20年以上の歳月をかけることも!( ゚Д゚)
僕もどれほど田中先生に振り回されたことか…
田中先生初心者の方は、完結してないシリーズに手を出してはいけませんよ。忠告です。
そんな田中先生のおすすめ小説7選をランキング形式でご紹介します。
目次
1位 『銀河英雄伝説』のあらすじと感想
銀河系に一大王朝を築きあげた帝国と、民主主義を掲げる自由惑星同盟が繰り広げる飽くなき闘争のなか、若き帝国の将“常勝の天才”ラインハルト・フォン・ローエングラムと、同盟が誇る不世出の軍略家“不敗の魔術師”ヤン・ウェンリーは相まみえた。この二人の智将の邂逅が、のちに銀河系の命運を大きく揺るがすことになる。
※銀河英雄伝説 1 黎明編 (創元SF文庫)より引用
全10巻(+外伝)で完結済。
1982年刊行にも関わらず、何度も新装版が販売され、アニメ化やマンガ化(今も藤崎竜先生の手で連載中)される等、今でも色褪せない超有名SF小説。
もうとにかく面白すぎる!
この面白さを適切に表現できない自分の語彙力のなさが悔しい!
出てくるキャラは多いんですが、それぞれにしっかりと個性とエピソードがあるので皆魅力的。
読み終えれば必ず好きなキャラが何人か出てくるはず。
あと、単純に戦争場面とかが面白い。
中2病の妄想を最大限に膨らませて、極限まで研ぎ澄ませた感じ。
間違いなく男の子はワクワクしちゃう。
それにね、結構考えさせられるんですよ。
政治システムについてとか。
そこが押しつけがましく書いてあるんじゃなくて、ストーリーを読んでくと自然と勉強にもなるし考えさせられるという最高の教材。
今の学生は政治について学校で勉強する前に「銀英伝」読んだ方がいい。
とにかく傑作中の傑作です。
まだ読んでないという不届きな輩は是非読んでみて下さい。
お願いします。
⇒銀河英雄伝説 文庫 全10巻 完結セット (創元SF文庫)
2位 『マヴァール年代記』のあらすじと感想
帝位を継承する者は誰か?大陸暦1091年2月、皇帝ボグダーン二世の崩御とともに噴き出した数々の野望は氷雪の国マヴァールを覆い尽くし、国内外で戦乱と殺戮を引き起こす。身分も違えば性格も違うかつての学友カルマーン、ヴェンツェル、リドワーンを中心に、玉座を巡る権謀術数を描いて物語の醍醐味を堪能させる本格歴史絵巻。
※マヴァール年代記(全) (創元推理文庫)より引用
架空のマヴァール帝国の後継者争いを描いた小説。
田中小説の醍醐味である、謀略、戦争、人間ドラマが見事に描かれていて、知名度はないのですが、隠れた名作です。
登場人物のキャラがわかりやすく、テンポよく物語が進んでいきます。
そのため、田中小説初心者の方に一番すすめやすい作品です。
(少々ボリューミーですが)1冊で完結してますしね。
3位 『7都市物語』のあらすじと感想
地軸が90度転倒し、南北両極が赤道地帯に移動する“大転倒”によって、地上の人類は全滅した。幸いにも月面に難を逃れた人々は地上に七つの都市を建設し、新たな歴史を繰り広げる。一方、月面都市は新生地球人類が月を攻撃するのを恐れるあまり、地上500メートル以上を飛ぶ飛行体すべてを攻撃するシステムを設置し、これが稼働状態のまま疫病によって滅び去ってしまう―この奇妙な世界で七都市をめぐる興亡が幕開く!
※七都市物語〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)より引用
7都市間の戦争や政略を描いた小説。
英雄だけじゃなく、人間の汚いところも上手く描いています。
設定もいいよね!
地上500m以上の飛行物体をすべて攻撃する「オリンポスシステム」って言葉だけでも、なぜかワクワクしてしまう(笑)
戦争ものって、古代の馬とか槍が~という設定か、未来(SF)の宇宙空間で宇宙船が~という設定のどちらかですからね。
航空技術はないけど、陸・海の技術だけ発達してるという珍しい設定。
その珍しさをうまく活かした作品です。
こういう限られた国家間での物語を描かせたら右に出る人はいないですよね、田中先生って。
こちらも初心者の方におすすめです。
1巻のみなのですが、「続刊出ないかなー」とひそかに心待ちにしています。
多分出ないでしょうけど。
4位 『薬師寺涼子の怪奇事件簿シリーズ』のあらすじと感想
父親は元警視庁幹部、東大・法卒、27歳の超美人&ナイスバディ警視・薬師寺涼子。唯一の欠点は「ドラキュラもよけて通る」性格の悪さ。通称「ドラよけお涼」とは彼女のことだ!そして、世にも奇怪な事件が、東京・湾岸副都心の巨大な複合ビルで連続する…。
※魔天楼 薬師寺涼子の怪奇事件簿 (講談社文庫)より引用
お涼と泉田警部補が怪奇事件を解決していく、1冊完結型のシリーズもの。
お涼は完璧超人で傍若無人なんですが、鼻につく感じじゃなくていい!
それでいて泉田警部補にかわいらしい部分を見せたりするからもう…
泉田警部補のポジションになりたい!
脇役キャラの配置も見事なので、どの巻を読んでも安心して面白いです。
怪奇事件が本当に怪奇なので、「何で現実世界でこんなことが?」とか真剣に考えだすと楽しめなくなるので、頭空っぽにして読むと楽しめますよ。
そういえばこのシリーズもまだ完結してないな…
5位 『タイタニア』のあらすじと感想
星暦229年。宇宙の命運は星間都市連盟を破ったタイタニア一族の手に握られ繁栄を築く。しかし、446年に強大なタイタニア一族のアリアバート卿が、単なる一都市・エウリヤ市に敗れてしまった。時代が再び動き始めたのだ。宇宙の覇者となるのはいったい誰…!?
※タイタニア1 疾風篇 (講談社文庫)より引用
全5巻で完結したんですが、3巻は1991年に、4巻はなんと2013年に発売されるという、田中先生の放置プレイ癖が最も発揮された作品。
「銀英伝」に似たスペースオペラなんですが、中身は全然違います。
英雄と呼べる人物はほとんど出ず、むしろ俗物と言える人物たちが織り成す物語。
主体的に動く人物が少なく、ほとんどの人物が自分は被害者だと思っている点が、小説のキャラとしては物足りなさと親近感を感じさせます。
なので、「銀英伝」的なのを期待して読むとがっかりするかもしれません。
とは言え、地味な登場人物ばかりですが、予想外な展開の連続でめちゃめちゃ面白いんですよ。
特に3巻までは止まりません!
ただ、4巻から結末までの方向性には賛否両論あると思います。
僕はちょっと引っかかりました。
ネット上のレビューでも批判の嵐…
とにかく3巻までは超面白いです。
6位 『アルスラーン戦記』のあらすじと感想
猛勇なる騎士軍団を誇り、不敗の国王が君臨するパルス王国。蛮族ルシタニアとの戦いでも、その勝利を疑う者はなかった。だが、味方の裏切りから、軍団は一日にして崩壊。王国は滅亡してしまう。からくも生き残った王太子アルスラーンは、勇者ダリューンや軍師ナルサスらとともに故国奪還を目指すが…。壮大な歴史ファンタジー・シリーズ第一弾。
※王都炎上―アルスラーン戦記〈1〉 (光文社文庫)より引用
壮大な歴史ファンタジー小説。
壮大すぎて、全16巻の完結になんと30年もの歳月がかかってます。
第1部(1巻~7巻)は、アルスラーンが王座を奪還するまでが。
第2部(8巻~16巻)は、蛇王ザッハークとその眷属との戦いが描かれています。
第1部がとにかく面白い。
アルスラーンが成長し、仲間とともに苦難に打ち勝つという、王道がとても上手に描かれています。
アルスラーンを取り巻く仲間たちは個性的でかつ魅力的。
架空の世界なのに、変にリアリティがあり、その世界観にどんどん引き込まれていきます。
何より、手に汗握る展開の連続なので、ワクワクドキドキが止まりません!
ただ、第2部は評価が分かれるかもしれません。
ずっと人間同士で戦ってたのに、急に魔族的な存在との戦いがメインになり、戸惑いを隠せません。
蛇王ザッハーク関係はない方がよかったんじゃ?という気がしてなりません。
7位 『創竜伝』のあらすじと感想
20世紀も終わりを告げるころ。凄まじい超能力を秘めた竜堂家の4兄弟に魔の手が迫っていた。彼らの力をわがものにして、地球支配を企らむどす黒い巨悪。だが、彼ら4兄弟には屈伏という言葉はない。そして、最大の潜在パワーを秘めた末弟・余が覚醒した―。
※創竜伝(1) 超能力四兄弟 (講談社ノベルス)より引用
本性は竜であるが普段は人間の姿をした竜堂兄弟と、彼ら4人を狙う巨大な権力者との争いを描いた痛快な伝奇アクション。
4人があまりにも強すぎるので安心して読めます。
権力者たちの企みをその常識外れの力で打ち破っていく様は本当に痛快です。
結構水戸黄門ちっくです。
とんでもない設定のオンパレードなので、読む前にはちゃんと頭を空っぽにしておきましょう。
13巻まで出ていますが、14巻は無期限延期状態のため、これから読もうとしている方は要注意です。
以上、田中芳樹先生のおすすめ小説でした。
どうか創竜伝が完結しますように。